「歯周病って痛みがないけど、怖い病気?」
「予防ってどんな処置を行うの?」
歯医者に行く理由としては、まだまだ予防意識が浸透していない日本では、虫歯になって痛みを感じてからというのが一般的かもしれません。
しかし、歯科先進国の北欧諸国などでは虫歯や歯周病の予防が当たり前になっています。なお、虫歯のメカニズムはなんとなくご存じの方が多い一方で、日本では歯周病の知識はあまりない方が多いのも現実のようです。
歯周病は、喫煙やストレス、食生活の乱れなどさまざまな原因でかかる生活習慣病のひとつとして考えられる病気です。30代以上の成人の約8割が感染あるいはその予備軍といわれ、国民病ともいわれています。
プラーク(歯垢)や歯石にひそむ細菌によって歯ぐきが炎症を起こし、進行すると歯を支える顎の骨まで溶かし、やがては歯が抜け落ちることもある怖い病気なのです。
2018年に全国2,345の歯科医院で行われた全国抜歯原因調査結果によると、歯が失われる原因で最多が「歯周病」(37%)で、以下「虫歯」(29%)、「破折」(18%)、「その他」(8%)、「埋伏歯」【注】(5%)、「矯正」(2%)の順となり、実は虫歯を抜いてもっとも歯を失う可能性が高い病気だということが判明しました。
1 歯周病の検査
歯周ポケットの深さの測定、口腔内写真の撮影、お口の型取りなどを行います。検査結果をもとに歯科医師と歯科衛生士でディスカッションを行い、治療の計画を立てていきます。
2 ブラッシングの指導
実は歯周病でもっとも重要になるのが、毎日のご自身で行っていただくブラッシングです。歯科医院での治療とともに、セルフケアの指導を行います。患者さま一人ひとりに適切なアドバイスをしますので、わからないことはお気軽にご質問ください。
3 歯ぐきより上の歯垢や歯石の除去
歯ぐきより上に残ってしまった汚れである歯垢や歯石をキレイに取り除きます。これにより歯ぐきからの出血や腫れ、痛みが改善されます。出血がおさまり歯ぐきが引き締まってくると、奥深くに潜んでいる歯石が把握できるようになり、歯ぐきより下の部分の歯石除去ができるようになります。
4 歯ぐきより下の歯石の除去
次に、歯ぐきより下の歯石を除去していきます。重度の歯周病では治療のみでは改善しないことが多く、そういったケースでは歯周外科手術を提案することもあります。
5 定期検診におけるクリーニングやモチベーションの維持
歯周病の状態が改善してきたら数ヶ月に1回のメンテナンス(定期検診)を行います。なお、当院では歯科衛生士もマイクロスコープを使用し、精密な歯のクリーニングなどの処置を行い、良い状態のキープに努めています。
歯周外科治療「再生療法」にも対応しています。
歯周病が進行すると歯ぐきが痩せて後退してきます。歯ぐきが下がって根っこまで露出すると、治療をあきらめてしまう方も多いのですが、歯周外科治療によって歯ぐきや顎の骨を回復させる再生療法という方法があります。外科的な処置をともなうため、マイクロスコープを使用し、精密に治療を行います。
※患者さまによっては適用できないケースもありますので、ご希望の方はお気軽におたずねください。
歯周病は一度かかると、歯周病菌がゼロになることはなく、3ヶ月に1回程度の定期的なメンテナンスが必要な慢性的な病気です。ケアを怠ると再発しやすく、日々のブラッシングとあわせて歯科医院の活用が大切です。
どんなに良い高級車でもメンテナンスをしなければ、故障をすることもあり、常に快適に走るためには定期的なメンテナンスが欠かせません。口の中も同じで、改善した口腔内環境を維持するために定期的にメンテナンスが必要です。良い状態を保つために、治療後のメンテナンスもご活用ください。
当院ではマイクロスコープを使用し、歯周病治療後には精密なメンテナンス処置を行っています。あわせて、カリーナシステムを使い、治療中に撮影するマイクロスコープの動画をリアルタイムで画面共有して、患者さまへのわかりやすい説明を行っています。
圧縮した空気を噴射して水とクリーニング用のパウダーを吹き付けて、歯面に付着している着色汚れ(ステイン)や歯周ポケットに溜まったプラークを除去する、エアーフローという処置を行います。物理的な処置ではないので、従来の方法に比べて歯や歯ぐきを傷つけにくい点がメリットです。なお、エアーフロー後には仕上げとして、歯の再石灰化を促すためのアパタイト塗布や、歯肉の健康維持に効果的なガムマッサージを行います。
治療内容 | 口臭が気になる、歯がぐらぐらする、血が出るとの訴えで来院されました。慢性歯周炎と診断し、歯周病の治療の流れをご説明し、基本治療をおこないました。 |
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治療期間 | 3ヶ月 |
治療費用 | 保険適応 |
リスク・副作用 | 歯周病菌は0にはできないので、3ヶ月ほどでまた歯周病菌が復活するため定期的なメンテナンスが必要です。現状を維持するための努力が必要です。 |
治療内容 | 重度歯周病と全顎的な治療が必要な状態でした。基本歯周病治療を行い、口腔内の細菌数の減少と細菌叢の変化を促し抜歯が必要な歯は抜歯、根管治療が必要な歯を治療しました。欠損部には義歯(取り外しの入れ歯)を装着しました。 |
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治療期間 | 約3年 |
治療費用 | 全て保険治療 |
リスク・副作用 | 義歯は歯肉の経年的変化により、数年後に作り直しが必要です。被せ物も保険の材料は数年後にやり替えが必要な場合もあります。歯周病菌が存在するのは明らかなので、3ヶ月に1度のメンテナンスは必須です。 |
再生療法 | 165,000円(税込) |
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歯科衛生士によるクリーニング | 30分7,700円(税込) 60分11,000円(税込) |
ナノトリートメント | 60分11,000円(税込) |
ステインクリア コース |
プロテクトぺリオ コース |
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着色除去 | ◎ | ◯ |
歯石除去 | ◯ | ◎ |
プラーク除去 | ◯ | ◎ |
おすすめの方 |
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料金 | ¥16,500(税込) | ¥7,700(税込) |
オプション | なし | ①sillha(唾液検査)\3,300(税込) ②高濃度フッ素 \2,200(税込) (ホームケア用品付) |
※歯肉の状態によってはお断りする事があります。